建学の精神

 本校の教育精神の出発点は初代校長赤星朝暉先生の高邁にして雄渾な信念と幅広い識見によってはじまりました。
 本校建学のねらいは、知徳をかねそなえた行動力のある農村の中堅人物を養成することにありました。そのため、この具体的な実践の場が教室や農場での授業であり、さらに寄宿舎における二十四時間教育を通して教師と生徒の人格の接触に求めたわけです。
 これはまさにイギリスのオックスフォード、ケンブリッジ両大学における学風を模したものでありました。創設の時すでに伝統の骨組みが出来上がったわけであり、この真髄を一層純化し発展させ次の世代に継承するべく職員、生徒が実践努力を続けてきました。
 さらに、赤星先生はややもすると知識だけに偏重する教育のあり方をさけられました。知・情・意をかねそなえた英国流紳士でなければならないと強調されました。そのため、この知・情・意のバランスを意味して制服の両袖に三つのボタンをつけて建学の精神をあらわすようになったとされます。
 この建学の精神をあらわし、かつ生徒の実践目標となるのが校訓です。時代の変化に応じて表現の変わることはあったが、終始一貫底流をなしているのが「信義を重んじ、いやしくも面従腹誹の行いのないこと」でした。
 便所掃除(人のいやがること進んでやる気構え)や公徳販売(済美精神)はこの具体的実践のあらわれでもありました。
 年月がたち、これらを体験した幾多の有為な人材が輩出され国内外で活躍されていることから社会でも評価されるようになり「青海精神」とか「天下の加茂農林」などとよばれ本校の伝統として今に伝えられております。